こどもNISA、2027年1月スタートへ。お子さまの教育資金、あなたは「学資保険」と「NISA」どちらで備えますか
岡FP事務所の岡です。「学資保険には入っていますが、これだけで本当に足りるのか、正直自信がありません」というご相談を、子育て中のご家庭からよくいただきます。そんな折、2026年度の税制改正で「こどもNISA」の創設が決まり、2027年1月からのスタートが見込まれるというニュースが飛び込んできました。これまで教育資金づくりの王道とされてきた学資保険に加えて、子ども名義でも非課税で投資ができる時代が、いよいよ目前に迫っています。今回は、このニュースを入り口に、「あなたの場合」に置き換えると教育資金づくりがどう見えてくるのか、具体的な数字とともに整理してみたいと思います。
目次
こどもNISA、2027年1月スタートへ ― なぜ今、子どもの教育資金に「投資」という選択肢が増えるのか
2026年度の税制改正により、「こどもNISA」の創設が決まりました。2027年1月1日から、18歳未満の子ども名義でもNISA口座を持てるようになる見込みです。対象はつみたて投資枠の商品に限られ、定時・定額での買付が条件ですが、年間投資枠は60万円、非課税で保有できる上限は600万円とされています。かつての「ジュニアNISA」が年間80万円・非課税保有400万円・最長5年という時限的な制度だったのに対し、こどもNISAは非課税でいられる期間に区切りがないという点が大きな違いです。
この流れを歴史的に見てみると、2014年に一般NISAがスタートしてから12年、2024年に「新NISA」として制度が抜本的に拡充・恒久化されてからわずか2年というスピード感で、対象が子どもにまで広がろうとしています。背景には、日本の家計金融資産が長年「預貯金」に偏ってきたことを是正し、「貯蓄から投資へ」の流れをさらに加速させたいという国の方針があります。実際、NISA全体の口座数は2025年末時点で約2,821万口座まで伸びており、政府は2027年末までに3,400万口座を目指しています。
※こどもNISAはまだ税制改正を踏まえた見込み段階の制度であり、今後の国会審議等で詳細が変わる可能性があります。教育資金の準備方法については、以前「奨学金をあえて使う教育資金戦略|関関同立の学費データ付き」という記事でも、奨学金を活用しながら手元の資産を温存する考え方を取り上げていますので、あわせてご覧ください。
一般NISAがスタート。「貯蓄から投資へ」の第一歩として導入されました。
新NISAスタート。非課税枠が年間360万円・生涯1,800万円に拡充され、制度も恒久化されました。
こどもNISA創設。18歳未満の子ども名義でも、非課税で投資信託の積立ができるようになる見込みです。
あなたの家庭はどのタイプ?教育資金プランの自己診断
制度の話はいったん置いておいて、まずはご自身の家庭がどのタイプに近いか、確認してみませんか。どのタイプであっても、今から整理すれば十分間に合います。
学資保険には入っているけれど、返戻率や保障内容を正直よく覚えていない方
学資保険も投資もしておらず、銀行預金だけで教育費を貯めている方
自分名義のNISAはしているが、教育費としての管理は特に分けていない方
タイプAの方は、まず契約内容の確認から。タイプBの方は、こどもNISAをきっかけに「増やす」発想を取り入れるタイミングかもしれません。タイプCの方は、次の章の試算を参考に、教育費用の枠を分けて管理することを検討してみてください。
モデルケースで試算:月1万円を15年間、学資保険とNISAで積み立てたら
ここからは具体的な数字で見ていきましょう。以下はあくまで一般的な試算例であり、実際の顧客データではありません。お子さまが0歳、大学入学までの15年間(180か月)、毎月1万円を積み立てたと仮定します。
学資保険は「満期に確実に受け取れる」という安心感が最大のメリットですが、低金利の今は増える金額がわずかにとどまるケースが多いのが実情です。一方のNISAは元本保証がない代わりに、長期・積立・分散を徹底できれば、同じ15年でも数十万円〜百万円近い差が生まれる可能性があります(あくまで一般的な試算であり、将来の成果を保証するものではありません)。あなたのご家庭の場合、毎月いくらなら無理なく続けられそうか、一度数字で確認してみてください。
そもそも大学費用そのものの目安もあわせて確認しておきましょう。授業料等(4年間)の目安は次の通りです。
自宅通学ならこの金額が目安ですが、仕送りが必要な場合は1人あたり合計で1,000万円前後になることも珍しくありません。「子ども1人あたり教育費1,000万円前後」という目安は、こうした仕送り込みの総額をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
岡の基本メソッドで考える:守りは掛け捨て保険、攻めはNISA
私がいつもお伝えしているのは、「守りは掛け捨て保険で盤石に、攻めはNISAで最高効率に」という、保障と資産運用をはっきり分ける考え方です。教育資金についても、この整理が役に立ちます。
「攻め」の部分、つまり確実に必要になるとわかっている教育費だからこそ、時間を味方にできるなら、こどもNISAや家族名義のNISAで「増やす」という発想を取り入れる。一方「守り」の部分、つまり万一ご自身に何かあった場合に教育費が足りなくなるリスクは、学資保険ではなく、保険料が比較的割安な掛け捨てタイプの保険でカバーするという考え方もあります。お子さま1人あたりの教育費は、進路によって500万円〜1,000万円前後が目安になりますので、この金額を一つの目安として必要保障額を考えてみるのも一つの方法です。保険の見直しについては「保険の見直しカテゴリー」でも関連する記事をまとめています。
iDeCoとの違いにも簡単に触れておきます。iDeCoは原則60歳まで引き出せない「老後資金専用」の制度のため、数年〜十数年先に必要になる教育資金には不向きです。教育資金はNISA、老後資金はiDeCoと、おおまかに役割分担して考えるのも一つの整理の仕方だと思います。なお、値動きのある資産に不安がある方には、米国債券のように比較的値動きが穏やかな商品を組み合わせる方法もあります。詳しくは「【完全保存版】米国株下落の備えに!米国債券と外貨建て一時払い保険のすべて」でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
「増やす」教育費と「万一の備え」は分けて考える
教育資金はNISA、老後資金はiDeCoと役割分担する
こどもNISAは年間60万円が上限。家計に無理のない範囲で少しずつ始める
よくある疑問にお答えします
Q. こどもNISAは誰が管理するのですか?
現時点の報道では、親権者などが運用管理者として子ども名義の口座を管理する形が想定されています。詳細な手続きは今後の発表を待つ必要があります。
Q. 親のNISA枠と合算されますか?
こどもNISAの非課税枠(年間60万円・累計600万円)は、親のNISA枠(年間360万円・生涯1,800万円)とは別枠で設けられる見込みです。
Q. 途中で引き出せますか?
旧ジュニアNISAと同様、18歳になるまでの払い出しは原則制限される見込みですが、中学生以降は教育費や生活費目的の非課税払い出しを認めるとの報道もあります。最終的な制度内容は今後の発表で確認が必要です。
Q. 今の学資保険を解約してNISAに乗り換えるべきですか?
解約のタイミングによっては元本割れすることもあるため、一般論としては、既存の保障を外さずに「これから積み立てる分」から少しずつNISAを取り入れる、という進め方も選択肢の一つです。どちらが正解ということではなく、ご家庭の状況によって変わります。
奈良市・生駒市近郊では、私立中学への進学や塾通いを検討されるご家庭も増えてきています。地域ごとの教育事情も踏まえながら、いつ・いくら必要になるかを一緒に整理するお手伝いをしていますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
まとめ:こどもNISAは「始めるかどうか」より「続けられるか」
こどもNISAは、教育資金づくりの選択肢を広げてくれる制度ですが、大切なのは制度に飛びつくことではなく、ご自身の家計で無理なく続けられる形を見つけることです。最後に、今回の内容をチェックリストにまとめました。
✓ こどもNISAは2027年1月スタート予定。年間60万円・非課税保有600万円で、非課税期間に区切りがない
✓ 教育費はお子さま1人あたり500万円〜1,000万円前後が目安(進路により変動)
✓ 「守りは掛け捨て保険、攻めはNISA」の視点で、増やす部分と万一の備えを分けて考える
✓ 制度の詳細はまだ確定前の部分もあるため、今後の発表も確認しておく
※この記事の数値は執筆時点の情報です。
関連記事

奈良市生まれ・在住。相談実績800件以上、生命保険28社・損害保険13社から比較できる独立系FP。「守りは掛け捨て保険、攻めはNISAで最大効率に」をモットーに、子育て世帯のお金の悩みに寄り添う。自身も小学生の娘を持つ一児の父として、教育資金の悩みも人ごとではないと感じている。
プロフィールを詳しく見る →教育資金、学資保険だけで本当に大丈夫か。一度、数字で確認しませんか
こどもNISAの始め方も含めて、ご家庭に合った教育資金プランを一緒に整理します









