iDeCoの拠出限度額、2026年12月から会社員は最大2.7倍に。あなたの場合、NISAとどう使い分けますか
岡FP事務所の岡です。2026年もいよいよ年末が近づいてきましたが、今年は「iDeCo」にとって四半世紀に一度と言えるくらい大きな制度改正の年になります。2026年12月から、iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢が大きく広がる予定です。会社員の方なら、上限が最大2.7倍近くになるケースもあります。「ニュースで見かけたけど、結局自分はどうすればいいの?」という声を、相談の現場でもよく耳にします。今回は、この改正の背景を少し掘り下げたうえで、NISAとiDeCo、それぞれあなたの場合に置き換えるとどう考えられるか、一緒に整理していきます。
時代背景:なぜ今、iDeCoが変わるのか
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、もともと2001年に始まった制度です。2017年の法改正で、専業主婦(夫)や公務員など、ほぼすべての働く世代が加入できるようになり、「iDeCo」という愛称も広まりました。2022年には加入可能年齢が60歳未満から65歳未満に広がっています。そして2026年12月、さらに大きな改正が予定されています。
今回の改正の柱は大きく2つです。ひとつは拠出限度額の引き上げ、もうひとつは加入可能年齢の拡大です。
企業年金がある会社員の方も、企業年金等と合算した上で上限が広がりますが、実際にいくら拠出できるかは勤務先の制度によって変わるため、ご自身の会社の担当部署や運営管理機関への確認が必要です。
なぜ今、このタイミングで変わるのでしょうか。関係者の解説を見ると、背景には大きく3つの要因があるようです。1つ目は、働き方やライフコースが多様化する中で、老後の資産形成が税制によって左右されにくい仕組みにしていく必要があるという考え方。2つ目は、勤務先に企業年金があるかどうかで、iDeCoで使える金額や税制上の扱いに差が出てしまう、という公平性の課題。3つ目は、60歳以降も働き続ける方が増えているのに、加入できる年齢の仕組みが実態に追いついていなかった、という点です。
あなたの場合はどうでしょうか。すでにiDeCoを始めている方も、これから検討する方も、この改正は「老後資金のつくり方を、もう一度見直すきっかけ」になりそうです。
※この記事の数値は執筆時点の情報です。
あなたはどのタイプ?(自己診断)
まずは、ご自身がどのタイプに近いか、考えてみてください。
ご自身がどのタイプに近いかによって、今回の改正をどう受け止めるかも変わってきます。
モデルケースで数字を見てみる
ここからは、具体的な数字でイメージをつかんでみましょう。ご注意いただきたいのは、以下はあくまで一例であり、実際のお客様のデータではありません。前提条件を置いた上での、考え方をつかむための試算です。
会社員・企業年金なしの方が、iDeCoの拠出額を月2.3万円→上限の6.2万円に増やしたとします(差額は月3.9万円、年間46.8万円)。所得税・住民税の実効税率を20%と仮定すると...
※実際の税率は所得やお住まいの自治体により異なります。あくまで考え方をつかむための例です。
NISAのつみたて投資枠で月3万円を、想定利回り年5%(複利)で15年間続けた場合の例です。
※将来の市場環境による仮定の試算であり、運用成果を保証するものではありません。
自分の場合の数字に当てはめると、どのくらいになるでしょうか。給与や家族構成によって実効税率も変わりますので、気になる方は一度数字を一緒に確認することもできます。
守りは保険、攻めはNISA、そしてiDeCoの位置づけ
私がいつもお伝えしているのは、「守りは掛け捨て保険で盤石に、攻めはNISAで最高効率に」という考え方です。この軸にiDeCoを当てはめると、少し違った役割が見えてきます。
守りは掛け捨て保険で盤石に。 万が一のリスクは、割安な掛け捨て保険でしっかりカバーする考え方です。
攻めはNISAで最高効率に。 いつでも引き出せる自由度の高さを生かし、生活資金や教育資金もにらみながら運用する枠です。
老後資金はiDeCoで「強制的に」。 60歳まで引き出せない制約を、むしろ使い込みを防ぐ仕組みとして活用する考え方です。
NISAはいつでも引き出せる自由度の高さが魅力です。一方、iDeCoは60歳まで(改正後は条件によって変わる場合があります)引き出せないという制約があります。この制約は、見方を変えれば「使い込んでしまう心配がない、強制的な老後資金づくりの仕組み」とも言えます。「長期の資産形成で浮いた資金を、気づいたら使ってしまわないか不安」という声を聞くこともありますが、そうした場合にiDeCoの強制力を活用する、という考え方もあります。
もちろん、米国株など資産運用そのものに不安をお持ちの方もいらっしゃいます。以前の記事「米国株下落の備えに!米国債券と外貨建て一時払い保険のすべて」でも触れたような、値動きの異なる資産を組み合わせる視点も、NISA・iDeCoの中身を考えるうえで参考になるかもしれません。
よくある疑問
Q. 教育費の準備とiDeCo、どちらを優先すべき?
A. 子供1人あたりの教育費は、進路によって差がありますが、一般的に1,000万円前後が目安と言われます。iDeCoは60歳まで引き出せないため、数年〜十数年後に必要になる教育費の準備には向きません。教育資金はNISAや預金など、使う時期が見えている資金で準備し、iDeCoは老後資金という、時期の違う目的で分けて考えるのが基本です。奨学金の活用を含めた教育資金の考え方は、以前の記事「奨学金をあえて使う教育資金戦略|関関同立の学費データ付き」でも整理しています。
Q. 企業年金があるので、iDeCoはやらなくてもいい?
A. 改正後は企業年金がある方もiDeCoの上限が広がりますが、実際に拠出できる金額は勤務先の制度によって変わります。「うちの会社はどうなるのか」を確認することが、まず最初の一歩です。
Q. 60歳を過ぎてからiDeCoを始めるのは遅い?
A. 2026年12月の改正では加入可能年齢が70歳未満まで広がる見込みです。短期間であっても、税制上のメリットを受けながら老後資金を準備する選択肢として、以前より視野が広がったと言えます。
奈良・生駒近郊の方へ
奈良市や生駒市近郊で、共働きで子育て中のご家庭からのご相談では、「教育費、住宅ローン、老後資金、全部同時に考えると何から手をつければいいか分からない」という声をよくいただきます。NISAとiDeCoの使い分けも、本来はそのご家庭全体のバランスの中で考えるものです。私自身も小学生の娘を持つ父親として、同じ目線でお話しできればと思っています。サービス内容の詳細もご案内していますので、気になる方はご覧ください。
まとめ
✓ 自分の雇用形態・企業年金の有無で、iDeCoの新しい上限がいくらになるか確認する
✓ NISAとiDeCo、それぞれにどんな資金を振り分けているか、一度紙に書き出してみる
✓ 「守りの保険」が先に固まっているか、順番を見直してみる
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奈良市生まれ・在住。相談実績800件以上、生命保険28社・損害保険13社から比較できる独立系FP。「守りは掛け捨て保険、攻めはNISAで最大効率に」をモットーに、子育て世帯のお金の悩みに寄り添う。自身も小学生の娘を持つ一児の父。
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改正後の数字をもとに、あなたの家庭に合った配分を一緒に整理します









